保護者の送迎負担を軽減するため、12月から、小学生が習い事や病院に通う際、子どもたちだけでタクシーに相乗りする『送迎サービス』の実証実験が始まります。習い事などの目的で子どもだけの相乗りサービスは全国初めてとのことです。実証実験には横浜市の鶴見区、中区、青葉区で子育て世帯やタクシー会社が参加し、子どもの習い事などの送り迎えをタクシーが代行します。鶴見区では東宝タクシー株式会社が送迎を担います。
こども送迎サービスの特徴
対象の3区に複数の停留所を設定。活用するのは、横浜市西区のITサービス業「hab(ハブ)株式会社」が運営する子ども専用送迎運行システム。塾や習い事などに行く時にスマートフォンの専用アプリに日時や乗り降りする場所をリクエストすると、複数の子どもをピックアップする効率的なルートをAIが考え出す仕組みで、料金は検討中だということです。予約、決済、運行状況の確認など、送迎のすべてをスマホで完結します。
この実証実験は来月12月から来年2月まで行われ、参加者へのアンケートで課題などを把握した上で、来年4月ごろの本格実施を目指すことにしています。
背景
「横浜市子ども・子育て支援事業計画」の策定に向けたニーズ調査(平成30年度)より「習い事・塾」が2日以上行われる割合が8割超であることが明らかになりました。
子育て家庭の時間貧困の解消を目指して、「送迎」の負担軽減が重要な支援策の一つと考えられています。
そこで、3月「こども送迎サービス」の実証実験に着手。具体的には、hab株式会社と地域事業者、横浜市が協力して関内駅周辺で習い事に通う小学生14名(のべ48名乗車)を対象に実施されました。
実施後の14世帯へのアンケート調査結果によれば、サービスが有償であっても100%の参加者が継続利用を希望し、その中で「生活が激変した」「もう手放せない」といった肯定的な意見が多く寄せられました。
この結果を受けて、実施エリアを拡大、参加人数を増やし、更なる実証実験が計画されています。
関内駅周辺「こども送迎サービス」実証実験から見えた課題
対応できない時間帯も…
関内駅周辺で、タクシー会社1社で実証実験を行った際の課題として、ピーク時間帯である午後4時から5時および6時から7時に対応しきれないことがありました。これに対する解決策として、エリアを3区に拡大することでタクシー会社が3社に増え、また、皆が知っている施設や学校などと集まりやすい場所を停留場に設定するなど工夫することで、乗車効率、利便性、定時制を両立でき、問題を解決できると見込んでいます。
3区選定理由
多様なユーザに対応するために、住んでいる地域によってユーザのライフスタイルが異なるという仮説から、中区(前回の実証実験区)、郊外(青葉区)、都心部(鶴見区)で行うこととしました。
また、停留所には補助スタッフを配置させるなど、対応策を検討しています。
子育てタクシードライバーが対応
対応するドライバーは子どもの送迎に関する訓練を受けた「子育てタクシードライバー」が対応します。※子育てタクシードライバーとは、全国子育てタクシー協会の研修を受けたドライバーです。
「こどものみらい共創プラットフォーム」が主体
実証実験の主体は「こどものみらい共創プラットフォーム」。こどもの習い事通いをサポートするスクールシャトルシェアリングサービスを展開する hab(ハブ)株式会社(代表取締役:豊田洋平)が幹事企業としてこどもの送迎課題解決を目指し、設立した公民連携の共同事業体です。教育・医療関連の事業者やタクシー会社、市と県などで構成されている。
尚、本事業は、令和5年7月に国土交通省「地域交通共創モデル実証プロジェクト」に採択されています。
東宝タクシー株式会社
〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央2丁目6−27
TEL.045-501-5891 FAX.045-501-5866
https://toho-taxi.jp/company/
hab株式会社
【設 立】2022年8月
【代表者】代表取締役 豊田 洋平
【所在地】横浜市西区みなとみらい3丁目7-1
オーシャンゲートみなとみらい8階
神奈川県SHINみなとみらい
【Webサイト】https://habshuttle.com/
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