横浜市の名木古木に指定されている木が、鶴見区の建功寺には5本あると知り、訪ねてきました。今回はそのうちの3本を写真に収めることができたので、ブログで紹介します。


訪問のきっかけは、建功寺の住職であり庭園デザイナーでもある枡野俊明さんの「つるみ読書講演会」を以前に聴き、猛暑の影響で境内の木が枯れてしまったことがある――そんなお話を伺い、実際にこの場所を自分の目で見てみたいと思ったからです。
境内は広々として緑が豊かで、鳥のさえずりが響いていました。木が枯れるという話からは想像できないほど穏やかで、深いやすらぎに満ちた空間です。
建功寺では、
ケヤキ、クスノキ、イチョウ、ヒイラギ、エノキの5本が横浜市の古木に指定されています。
総合案内で伺ったところ、裏山は安全上の理由から案内ができないとのことでした。そのため、今回は確認できた2本のみの紹介となります。
「庭園デザイナーのお寺」ともいわれる建功寺は、どの方角から眺めても自然で美しく、新しい建物がありながらも木々の存在感が際立っています。古木として登録されているのは5本ですが、境内全体から木の強い生命力が感じられました。







一方で、夏の異常な暑さや温暖化は、自然にとって差し迫った危機でもあります。枡野住職の講演会では、仏教における「四馬の譬喩」が語られ、私たちはすでに“第四の馬”の段階にあり、今すぐ手を打たなければ手遅れになる状況だと教えてくださいました。
それだけに、力強く枝を伸ばす古木の姿には胸を打たれるものがあります。どうかこれからも元気で、のびのびと生き続けてほしい――そんな願いを抱かずにはいられませんでした。
日本では、人の手が入っていない里山の自然を「美しい」と感じます。それは、自然と人間が上下ではなく、横並びの関係にあるということ。仏教では、この考え方を「共生(ともいき)」と呼びます。
以下では、今回確認できた建功寺の古木3本を紹介します。
新しい一年の始まりに、静かな境内で古木の生命力に触れてみてはいかがでしょうか。
ヒイラギ
こんなに大きなヒイラギは初めて。高く伸びた枝葉には手が届かず、見上げるほどの大木です。ヒイラギといえばとげのある葉が特徴ですが、老木になると次第に丸みを帯びてくるそう。写真をアップにすると、まだ残るとげの様子が確認できます。





イチョウ




クスノキ
こんもりとしたクスノキ。とにかく大きい。裏山は入れませので樹冠のみ。




ギャラリー




徳雄山 建功寺
1560年(永禄3年)、小田原の北条家に仕えていた5代目城主の諏訪馬之助が龍散寺の和尚・大州長譽を迎え、菩提寺として創建。諏訪氏の勇ましさから徳勇山、功績から建功寺とした。山号は後に徳雄山へ変化した。1906年(明治39年)に總持寺の鶴見移転が決定した。總持寺の鶴見移転時の功により、本山近門寺院に列せられ、永代色衣着用を許された。本堂は宝暦7年(1757)建立。寺紋は諏訪梶
枡野俊明:2000年(平成12年)より第18世住職。
枡野俊明氏 プロフィール
1953年、横浜市鶴見区生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。『心配事の9割は起こらない』『仕事も人間関係もうまくいく 放っておく力』など数多くのベストセラーを執筆し、また、2006年「ニューズウィーク」誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」にも選出される。近年は執筆や講演活動も積極的に行う。

徳雄山 建功寺
https://www.kenkohji.jp/k/
宗派:曹洞宗(禅宗)
神奈川県横浜市鶴見区馬場1-2-1
TEL 045-571-6712
営業時間 9~17時(年末年始は変更あり) 定休日 水曜
料金 境内自由
アクセス
東急菊名駅・JR菊名駅→市営バス41系統で10分、バス停:西寺尾建功寺前下車、徒歩3分。
臨港バス01系統で10分、バス停:東高校入口下車、徒歩3分
※菊名駅 市営バスと臨港バスの乗場は離れていますので注意
JR鶴見駅西口→市営バス41系統で10分、バス停:西寺尾建功寺前下車、徒歩3分。
臨港バス01系統で10分、バス停:東高校入口下車、徒歩3分

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