鶴見区生麦3丁目にある生見尾(うみお)踏切について、今月14日の市会まちづくり常任委員会で明らかにした。
2026年12月7日(月)午前1時、6日終電後をもって、生見尾踏切は廃止されます。
市は「市民の安全・安心を最優先に」この判断を下したとしています。

生見尾踏切とは
生見尾踏切は、JR京浜東北線・横須賀線・東海道線の上下6線をまたぐ、全長約45mの踏切です。
電車線と旅客線の2つの踏切と、その間に設けられた待避場所で構成されています。渡り切れない人は、この待避場所で電車をやり過ごすことができます。
遮断機は、東海道線の前後と京浜東北線・横須賀線の前後に計4台設置されています。
複数の線路をまたぐ特殊な構造のため、「遮断機の内側にいるのか、外側にいるのか分かりにくい踏切」ともいわれています。

手前の踏切は開いたが奥の踏切は電車が通過中
一気には渡れない

岸谷側から踏切に入る 一つ目の遮断機を過ぎ線路を渡ると
「ここは停車禁止」と大きく書かれている 踏切内になる
ここで止まってしまう人が多い
待避場所
渡り切れない人は、この待避場所で待ちます

岸谷側から

生麦側から

踏切の利用者
1日の交通量は、歩行者2,418人、自転車1,249台、自動車257台、自動二輪車179台。一方、隣接する既設こ線人道橋は、1日11,403人の歩行者が利用しています。
現在のこ線人道橋には中央に階段があり、ベビーカーや車いすは踏切を渡るしかない。
なぜ廃止されるのか
最大の理由は、重大事故が繰り返されてきたことです。
2002年4月から2025年12月までの約24年間で、
- 踏切への人の立ち入りや車両の立ち往生などによる列車停止:2,088件(約4日に1回の頻度で発生)
- 踏切上で列車と接触した事故:7件(うち5件が死亡事故)
が発生しています。死亡事故は2013年、2016年、2022年、2024年4月、2024年9月の5件。横浜市内のJR東日本の踏切の中で最多となっています。
さらに、ピーク時の遮断時間は電車線踏切で44.3分、旅客線踏切で24.4分にのぼり、いわゆる「開かずの踏切」となっていました。
廃止に向けて、事態が動き始める
2024年9月29日午後11時ごろ、横浜市鶴見区生麦のJR東海道線「生見尾(うみお)踏切」で、ベトナム国籍の男性(当時26歳)が列車にはねられて死亡する、痛ましい事故が発生しました。
この事故を受け、山中竹春・横浜市長は定例記者会見で、人命の尊さを踏まえ、地元との合意形成を前提に、生見尾踏切の廃止に向けて取り組む方針を表明しました。
市長は「地域の意見をどう集約するかが重要。合意形成なくして撤去するかどうかは決められない」と述べ、今後も住民への説明を続ける考えを示しました。
廃止後は「新たなこ線人道橋」を整備

踏切をなくす一方で、地域の往来を確保するため、新しいこ線人道橋が整備される計画です。
- 幅員:約4.0m
- 南北それぞれにエレベーターを1基(自転車3台まで乗車可能)
- 斜路付き階段も整備
ただし、完成は2033年度(令和15年度)の予定です。
踏切廃止から完成までの間、地域分断をできるだけ小さくするため、2026年11月には既設のこ線人道橋中央部の階段をスロープ化(現在工事中)し、バリアフリールートを確保する予定です。
地域からはさまざまな意見
市は2013年の事故以降、地元自治会や商店街、踏切利用者などに対して60回以上、延べ900人以上に説明・意見交換を行ってきました。
廃止に賛成する声としては、
- 安全性・人命を優先すべき
- 踏切廃止が最も確実な安全対策
- 新しい人道橋を早く整備してほしい
といった意見がある一方、
- 迂回による利便性の低下
- 商店街の衰退や地域分断
- 災害時の避難への影響
- 朝夕の混雑
を心配する声もありました。
市は今後、隣接する2つの商店街への支援策を検討するとともに、災害時の避難ルートについても地域と連携して周知していくとしています。
今後のスケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年11月 | 既設こ線人道橋の階段をスロープ化 |
| 2026年12月7日 午前1時 | 生見尾踏切を廃止 |
| 〜2027年度 | 地下埋設物の移設・鉄道施設の撤去 |
| 2028〜2033年度 | 新たなこ線人道橋の整備 |
| 2033年度 | 新しいこ線人道橋の完成予定 |
長年、地域の安全と利便性の間で議論されてきた生見尾踏切が、いよいよ具体的に廃止へ動き出す——これは単に「踏切がなくなる」という話ではなく、鶴見の街の形が変わる大きな節目だと思います。
踏切に関する動き その他
①総持寺踏切の廃止
横浜市鶴見区にあった東海道本線、京浜東北線、横須賀線、貨物線など、合計11本もの線路を一度に跨ぐ総持寺踏切は、深刻な踏切支障や長時間の遮断による「開かずの踏切」問題の対策として、2012年4月1日午前6時をもって完全に廃止されました。
②住民らが踏切廃止に反対
2016年11月、横浜市が示した「踏切を当面残したまま、跨線橋を整備する案」に対し、地元の生麦第二地区連合会をはじめ、14自治会、3商店会などが連名で、踏切の存続を求める約4,000人分の署名と回答書を、当時の横浜市長に提出しました。 生活道路として活用している住民らが踏切廃止に反対していた。
③現在の「生見尾人道橋(跨線橋)」には、2021年(令和3年)3月にエレベーターが設置されました。現在バリアフリー工事中
見尾踏切と京急との間に

この先に踏切があります



迂回先となる滝沢踏切 花月園前踏切




鶴見中央1丁目ガード下

コメント