3月20日、生麦山 龍泉寺にて、春彼岸の中日法会にあわせた「お彼岸ピアノコンサート」が開催されました。
通りがかりに見かけた一枚のポスター。
「檀家でなくても参加できるのだろうか」と問い合わせてみると、「どうぞ」と快く迎えていただき、ありがたく足を運びました。

小雨の中、本堂で出会ったあたたかな空間
当日は肌寒く、小雨の降るあいにくの天気。それでも本堂に一歩入ると、ストーブの暖かさに包まれ、ほっとする空間が広がっていました。
片隅には、静かに出番を待つグランドピアノ。
お寺とピアノという少し意外な組み合わせに、期待が高まります。

まずは春彼岸の法要へ
コンサートの前に行われたのは、春彼岸の中日法会。
お経を唱え、お焼香もさせていただき、厳かな空気の中で心が整っていくような感覚に包まれました。日常の忙しさから少し離れ、自分と向き合うひとときです。



「音楽の力」住職が語るコンサートへの想い
法要の後、住職の壽山良光僧正から、このコンサートを始めた想いについてお話がありました。
テーマは「音楽の力」です。
✨世界の武器を楽器に
「おまえのものは俺のもの。俺のものは俺のもの。」
漫画『どらえもん』のジャイアンの名言ですが、ここ数年で世界は大きく変わりました。わずかな強い声によって社会は分断され、各地で戦火が広がり、多くの人々が不安な日々を過ごしています。
以前、「世界の武器を楽器に」というポスターを目にしたことがあります。理想論かもしれませんが、もし武器を楽器に持ち替えられたなら、音楽とともに平和が戻るように思えます。戦いを起こすのも終わらせるのも人の心次第であり、人々の心が豊かで穏やかになれば、争いは自然と終わりへ向かうのではないでしょうか。
大変な日常をひととき忘れ、音楽で心をほぐし、穏やかな時間を届けたい――。
さらに、お寺でのコンサートは、訪れた人だけでなく、ご本尊さまや仏さまにも楽しんでいただけるのではないかというお話が、とても印象的でした。



本堂に響くピアノの音色に心が震える
いよいよ演奏が始まると、本堂いっぱいにやさしく澄んだピアノの音色が響き渡ります。
コンサートホールとは異なり、全身に音が吸い込まれていくような感覚を覚えました。
演奏を担当したのは、ピアニストの牧瀬愛結さん。
披露された楽曲は、
・フェリックス・メンデルスゾーン「春の歌」
・いきものがかり「SAKURA」
・一青窈「ハナミズキ」
そしてアンコールには、中島みゆき「時代」が披露されました。


「ハナミズキ」に込められた祈り
「ハナミズキ」は、平和への願いを込めて作られた楽曲。
人々の幸せが100年続くようにという祈りが込められていることを、演奏前のお話で知りました。
その想いに触れながら、このコンサートも、どうか100年続いていきますように――。

山の上のお寺にグランドピアノに驚きの声
本堂に置かれたグランドピアノにも、多くの人が驚いていました。
山の中腹にあり、階段を上っていくお寺だけに、「どうやって運び入れたのだろう」と思わず考えてしまいます。
実はこのピアノ、調律師の方が半年かけて探し出した、年月を経て音が育ったヤマハ製の一台。
丁寧に搬入・調整されたものだそうで、その背景を知ると音色の深みも一層感じられます。


お彼岸に出会った、祈りと音楽の時間
お彼岸という特別な日に、地域に開かれたお寺の新しい取り組みに触れながら、静かに自分と向き合うあたたかな時間になりました。
鶴見には、まだまだ知られていない素敵な場所や取り組みがあります。
こうした地域の小さな感動を、これからも発信していきますので、ぜひまたのぞいてみてください。
ピアニスト 牧瀬愛結さん
プロフィール
桐朋音大音楽楽部卒業・2015年第9回橫浜国際音楽コンクール第2位・第4回あおい音楽コンクール第1位、現在はソロ、室内楽、器楽、声楽および合唱の伴奏など、幅広い演奏活動を展開しておられます。また、神奈川県を中心に、リトミック指導やピアノ指導,療育ピアノ指導にも積極的に取り組んでおられます。
https://www.instagram.com/makiseayu_pf/

生麦山 龍泉寺
宗派: 高野山真言宗
住所: 横浜市鶴見区岸谷4-3-2
アクセス: 京急本線「生麦駅」徒歩約4分、JR「鶴見駅」から市営バス41系統又は38系統「安養寺」下車徒歩1分
住職 壽山良光 僧正
公式 https://www.ryusen.site/

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