患者・家族滞在施設「リラのいえ」(横浜市南区)を訪問~鶴見区のチャリティーコンサートのメンバー


鶴見区北寺尾在住の鳥谷美代子さんを中心とする鶴見区のメンバーがチャリティーコンサートで応援している、患者・家族滞在施設「リラのいえ」を訪問しました。

鳥谷美代子さんは、ホスピス支援や小児がんのこどもを応援するため30年近くチャリティーコンサートを開催してきました。昨年からのコンサートの収益は、神奈川県立こども医療センターに入院する患者と家族のための宿泊施設「リラのいえ」に寄付しています。

チケットを購入してくださった方に寄付先の様子をお伝えしたいという思いもありコンサートメンバーと一緒に「リラのいえ」を訪問しました。

患者・家族滞在施設「リラのいえ」とは

横浜市にある神奈川県立こども医療センターから徒歩5分の場所に、「リラのいえ」があります。神奈川県立こども医療センターは、日本で数少ない小児がんの拠点病院であり、地域の病院では治療が難しいとされる患児が長期間にわたって入院する施設として、全国から多くの患者が訪れています。この施設は、遠方から入院する患者とその家族のための宿泊施設であり、認定NPO法人「スマイルオブキッズ」が運営しています。

「リラのいえ」では、病室に入れない患児の兄妹や姉妹の保育が行われており、また、患者の家族が交流できる場も提供されています。ボランティアスタッフが24時間体制で常駐しており、患者とその家族が安心して滞在できるように支援を行っています。

神奈川県立こども医療センターに向かう坂道の途中にあります
明るく清潔な施設内
ゆっくりとお話ができました

佐伯トシコさんにお話を伺いました
リラのいえ 元施設長(よこはまファミリーハウス提供者)

元施設長 佐伯トシコさん

お母さんたちはどこに泊まっているの?

佐伯さんは神奈川県立こども医療センターの開設当初から事務員として働いており、自宅は病院から徒歩10分の距離にあります。病院で働く中で、遠方から来る患児の母親たちは病院内での宿泊ができず、滞在期間も長いことが多いため、宿泊はどうしているのだろう~と思ったそうです。

何かの方法で役立つことができないかと長年思案し、これは私がやるべき活動なのかもしれない、とも思ったそうです。

自宅を建て替える際にご主人から声を掛けられ、2階を宿泊施設として提供することを決意しました。自宅が完成した1999年から、2階にある3つの部屋を「よこはまファミリーハウス」として、遠方から入院する患者と家族のために提供しました。

もっと大きな施設が必要だ

ところが「よこはまファミリーハウス」を開設して数年後、宿泊希望者が多く、お断りすることが増え、泊めてあげたいのに泊められない状況が続き、こども医療センターにはもっと大きな宿泊施設が必要だと実感しました。

こども医療センターからも宿泊施設の必要性を訴える声があがり、2004年佐伯さんら有志によるNPO法人「スマイルオブキッズ」と「こども医療センター」との協働事業が発足し、募金活動と大口寄付、そして神奈川県から提供された土地(センターから約500m離れた約900坪)の無償貸し付けが実現しました。

そして2008年、患者・患者家族滞在施設「リラのいえ」が完成しました。

元施設長 佐伯トシコさんのお話と施設内の様子を動画でご覧ください

一番重視したのは…お母さんたちのプライバシーを守ること

佐伯さんは、リラのいえの前身である「よこはまファミリーハウス」での経験を活かし、リラのいえの設計に積極的に参加しました。彼女が特に重視したのは、お母さんたちのプライバシーを守ることです。(泣きたい日もあるからです)

また、リラのいえはこども医療センターから徒歩5分の距離にありますが、センターの明かりは見えません。 明かりが見えてしまうと、子どもの様子や病気に気をとられてゆっくり休むことが難しいです。一時的に気持ちを休める場所としてちょうど良い距離と考えられています。

「安心・安全・安価」の滞在施設

もし子どもが重い病にかかり、遠方の病院に長期入院することになったら…。病院には泊まれないし、付き添いのためにホテルやマンションを借りると看護する家族の滞在費だけでも、経済的な負担が増えてしまいます。家族にとっては、毎日の通院は、肉体的にも精神的にも、経済的にも負担が大きいです。

リラのいえは、2022年4月1日より、利用料を1,500円から1,000円に引き下げ、リネン代も無料です。(詳しくは公式ホームページを確認してください。)

そして、ボランティアさんに24時間見守られ「安心・安全・安価」で滞在できる宿泊施設です。

宿泊室はバス・トイレ付
お部屋の名前はすべてお花の名前がついている

滞在の際は、自分の身の回りのものだけを持参

リラのいえはホテルではありませんので食事は提供していませんが、食堂にはインスタント食品、缶詰類、レトルト食品、冷凍食品など、企業や個人の方から寄付された食材があり自由にご利用頂けます。

キッチンには自炊に必要な食器・台所用品・器具は用意してあります。又、寄付いただいたお米をボランティアさんが炊いてくださり、温かいご飯があると利用者さんが大変喜ばれます。
洗濯室には乾燥機も設置され、洗剤、柔軟剤、トイレットペーパーなどが常時置かれているので、滞在する際には、自分の身の回りのものだけ持ってきて下さいと伝えているそうです。

明るいキッチン

気持ちがあたたかくなる絵画や手作り品

お母さんとこども
切り絵

リラのいえ開設15周年記念『リラの丘プロジェクト』

第一弾として、「ウッドデッキスペース」の設置

今年は開設15周年を迎える節目の年です。”病気の子どもと家族がホッとできる憩いの場をみんなの力で作りたい” という目標を設定しました。クラウドファンディングで寄付を募り、目標金額の600万円を達成しました!工事も始まり、まもなくウッドデッキスペースが完成します。リラのいえの新しいシンボルに期待しましょう。

クラウドファンディングについてはこちらをご覧ください
https://readyfor.jp/projects/lilanoie20080601

元施設長 佐伯トシコさん        事務局長 谷畑育子さん

認定NPO法人スマイルオブキッズ 
リラのいえ/きょうだい児保育/家族の交流の場の提供
https://smileofkids.jp/index.html
〒232-0066
神奈川県横浜市南区六ッ川4-1124-2
TEL : 045-824-6014 

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